
Deleter
Don't delete the dead.
An online content moderator deletes a suicide video made by her co-worker. But the otherwise desensitized woman cannot escape from either her own troubled past or from a mysterious vengeful presence.
要約
『Deleter』は、SNS上に投稿された暴力的・猥雑な映像を削除する「コンテンツモデレーター」の仕事を題材にした、フィリピン発のホラー映画です。主人公のライラは、巨大なオンライン企業の監視室で、利用者の目に触れないよう不適切な動画をひたすら消去しています。画面の向こうで起きた悲劇を機械的に処理する毎日は、彼女に安定した収入をもたらす一方で、精神を少しずつすり減らしていました。 ある日、ライラは自殺を捉えた動画を削除します。しかし、その後から職場や自宅で不可解な現象に遭遇し、動画に映っていた女性の存在を感じるようになります。同僚のジェイスら周囲の人々も異変に関わり始め、ライラは単なる怪奇現象として片づけられない過去と、映像の背後に隠された事情を探ることになります。閉ざされた監視室、無数のモニター、淡々と処理されていく惨事の記録が、彼女の現実と次第に重なっていきます。 ライラを演じるナディーン・ルストレは、感情を抑え込んで働く女性の疲弊と、真相に近づくにつれて強まる恐怖を繊細に表現しています。ジェイスは彼女の身近にいる同僚として、孤立しがちなライラを支える一方、企業の厳格な規則や職場の無関心も物語に影を落とします。登場人物たちはそれぞれ、画面上の出来事を「削除すべきデータ」として扱うシステムの中で、他人の痛みを見ないふりをすることの危うさに直面します。 本作の恐怖は、幽霊の出現だけにあるのではありません。悲惨な映像が娯楽や消費の対象となり、誰かの苦しみが数回のクリックで処理されてしまうデジタル社会への批判が、怪談の底に流れています。過酷な労働環境、企業が掲げる「安全なネット空間」と現場の実態との隔たり、そしてトラウマを抱えた人間が見過ごされる構造も重要なテーマです。直接的なショック演出と、監視される側・監視する側の境界が崩れていく不気味さを組み合わせた、ネット時代ならではの社会派ホラーに仕上がっています。
予告編
キャスト














