悪魔が来りて笛を吹く
悪魔が来りて笛を吹く
昭和二十五年に起った天銀堂殺人事件の容疑者、元子爵椿英輔は忌わしい嫌疑を恥辱としてか信州で自殺をとげたが、夫人[火禾]子は今尚英輔の幻影に悩まされていた。令嬢美彌子の頼みで名探偵金田一耕助は一夜椿邸で行われた目賀博士の砂占いに列席した。集った人達は[火禾]子、美彌子、目賀博士の他、[火禾]子の叔父玉虫元伯爵と妾菊江、[火禾]子の兄新宮利彦と妻はな、道楽息子の一彦、椿家執事木下善四郎、書生三島東太郎などであったが、博士の占い通りその夜玉虫伯爵は何者かに殺害された。耕助は英輔の日記の空白を手がかりに神戸に赴き、以前英輔が別邸の管理人植辰の妹お駒を尋ねる目的があった事を調べ上げる。お駒も既に殺害されていたが、お駒の養子宗二郎が失踪している事と、妙光院の痣とり地蔵尊の裏面に彫られた文字から秘密を嗅ぎ出し、急拠東京へ引返す。しかし椿邸では新宮利彦が殺されていた。居並ぶ人々の前で三島青年が動揺しているのを見届けた耕助は逮捕状を携えて再度椿邸の門を潜るが、一同は鎌倉の別邸に行った後だった。その頃鎌倉では新宮利彦と[火禾]子の間に兄妹姦淫の子として生れた三島青年実は宗二郎が、目賀博士と[火禾]子に詰めよっていた。驚いた[火禾]子は青酸カリの盛られた鎮静剤を飲んで一瞬にして絶命。直後到着した耕助は一同の前で始めて事件の顛末を発表した。--今から二十数年前、[火禾]子は兄利彦に犯されて一児を生み落し、叔父玉虫伯爵はその子を宗二郎と名付け植辰の妹お駒に預けたが、椿家財産横領を企む目賀博士は宗二郎が幼年で死んだ後、植辰と謀ってその子治雄の片腕に火焔太鼓の痣を彫りつけて宗二郎に仕立て上げ、椿家乱倫の実状を明かして復讐を誓わせたのである。かくて真相を知らぬ治雄を三島東太郎の仮名で椿家の書生に送りこんだ目賀博士は英輔に[火禾]子の行状を告げて自殺に追い込み、その亡霊の恐怖を利用して玉虫伯爵、利彦、お駒、[火禾]子と次々に殺害したのである。鋭い耕助の推理と植辰の証言に、目賀博士は拳銃を取って乱射するが、耕助の反撃に挫け、遂に警官に捕われた。...
Production Countries
Production Companies
Cast
北林早苗
as Taeko
三谷昇
as Detective Sawamura
塾一久
as Detective Tamura
横溝正史
as Hodgepodge stand proprietor
池波志乃
as Kikue
住吉正博
谷本小代子
秋野太作
as Telegraphist
浜木綿子
as Toshie Kazama
村松英子
as Hanako Shingu
中村玉緒
as Chiyo
小沢栄太郎
as Kimimaru Tamamushi
梅宮辰夫
as Shunroku Kazama
夏八木勲
as Capt. Todoroki
村田知栄子
as Ume
中田博久
as Manager of the Tengin-do
原知佐子
as Shino
鰐淵晴子
as Akiko Tsubaki
二木てるみ
as Tane Mishima
仲谷昇
as Hidesuke Tsubaki
藤巻潤
as Detective Yamashita
京唄子
as Otama
加藤嘉
as Jido
Jun Miyauchi
as Totaro Mishima
山本麟一
as Jusuke Mega
石濱朗
as Toshihiko Shingu
西田敏行
as Kosuke Kindaichi
中村雅俊
as Sakuzo
角川春樹
as Uematsu
金子信雄
斉藤とも子
as Mineko Tsubaki